福島県南相馬市同慶寺住職、田中徳雲氏のドキュメンタリー
私たちは今、回帰の時を迎えていると思います。大地と生命を尊重した、地球目線での生活への回帰です。新しい生き方を求め始めた若者は少なくはなく、自給自足や手仕事を大切にした、その個性豊かな等身大の生き方は、まるで厚い雪の下で芽吹く時期を待っている若芽のように、確実に育っています。そして、世界は変わり始めています。個人から集団、全体の意識へ。その時に、この福島や東北で起きた現実の厳しさ、悲しさ、公憤を胸に刻んでおくことは、同じ過ちを繰り返さないためにも、大切なことだと思います。私たちが目指す未来、その的を射貫くには、前に進む力だけでは力不足です。矢は放つ前に引かなければ遠くに飛ばない。その引く力こそが、この幾万もの人が体験した悲嘆と慟哭ではないでしょうか。それらを感じ、自分のものとしたときに、変化を求める強い力が内側から湧いてくると思います。
願わくば、皆様一人ひとりの自覚の一助になりますように…。
読んでいただいてありがとうございます。合掌。 田中徳雲 (一部を抜粋)
