マーシャル諸島共和国

島田興生さん(フォト・ジャーナリスト)、日塔和彦さん(東京芸大客員教授)、坂田雅子さん(映画監督)ほか、ミュージシャン、ジャーナリストなどあらゆるジャンルの方々と共に、マーシャル諸島共和国への取材に同行させていただきました。マーシャル諸島は29の環礁と5つの島からなりビキニ環礁やロンゲラップ環礁、首都であるマジュロ環礁もその中のひとつ。この美しい風景の中で米国による核実験は67回も行われたました。
そのうちの1954年3月1日ビキニ環礁で行われた「水爆ブラボー実験」。結果、米国まさかの想定外の風向き。ロンゲラップ環礁、ウトリック環礁がある東方へ死の灰が降り注ぎ住民は被ばく。さらに同日、偶然東方海上で操業中だったマグロ漁船第五福竜丸へも死の灰が降り注いでしまいました。
ちなみに実験前、現場となったビキニ環礁の住民たちへの米国からの言葉は「人類の福祉のため、世界の戦争を終わらせるため、島を捧げましょう」。それに対しビキニ島指導者は「神のご加護がすべての人々の利益になるのであれば、私たちはどこへでも行くだろう」と答え、移住したそうです。



ロンゲラップ環礁で被ばくされた方々への取材。
「水爆ブラボー実験」で被害にあい、今も故郷に帰れずマジュロに移住されています。彼女らの死産や子供の病死の経験談には特に胸がつまり、悔しさでいっぱいになりました。また「故郷へ帰りたいですか」という我々の質問に対し、「私たちの島に帰りたい。しかし恐ろしい毒(放射性物質)はもうないのか?」と返答。残念ながら現在の我々日本人にもリアルに聞こえる言葉です。


首都マジュロにあるビキニ役場や日本大使館へのあいさつ訪問のほか、中学校授業参観や3月1日ビキニデー記念式典へも参加してきました。


ミュージシャンの内田BOBさん。
彼のマーシャルライブ「The Peace Gathering Night」のポスターデザインをさせていただきました。彼の発するメッセージはまさに「自然」の代弁です。自然界からの視点を感じます。


ライブ中には、マーシャルの子供達に大きな布を用意し、自由に絵を描いてもらいました。
それは日本へ持ち帰り、都立第五福竜丸展示館に展示してもらいます。
マーシャルから日本への命の証です。



街の人たちに協力を得た、楽しいポスター貼り。



我々日本という国が1914年から1945年までマーシャル諸島を占領、植民地としていたことも記しておかなければなりません。
どこの国であろうが、国家の都合、大人の都合で、子供の笑顔がなくなってほしくない。
子供の笑顔を守りたい。自分の笑顔も守りたい。今回の旅で単純にそう思いました。
既に各方面で素晴らしい活動をされている先輩方に同行させていただきとても感謝しております。
さて自分にできることとは・・・。

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